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はじめに
 

1. 文法特有の考え方
英語を正しく読み書きすることは、英文を支えているルールに違反しないで読み書きすることです。
英文を支えているルール、すなわち英文法は文法書に詳しく説明されています。
それでは、文法書を1冊座右に置けば、それで万事解決かというと、そうはいかないのです。
なぜなら、文法の全体を貫く「文法特有の考え方」というものがあり、それを身につけていないと、文法書の説明を読んでも、それを実際の読み書きに活かせないからです。
それどころか、求める情報が文法書のどこに書いてあるかさえ分からないので、文法書で調べることもできません。

多くの人は、英文法が大事だと言われて、文法書を通読しようとするのですが、このカラクリを知らないので、読み通せないし、仮に超人的な忍耐力で読み通しても、ほとんど効果がないのです。
文法書は、読者が文法の全体を貫く「文法特有の考え方」をすでに身につけていることを当然の前提にしていて、文法書のどこにも「文法特有の考え方」を説明している個所はないからです。

これを逆に言えば、「文法特有の考え方」を理解して、それにしたがって頭を動かせる人は、他人から文法を教えてもらう必要などまったくありません。
信頼できる文法書を座右に置いて、必要なときは、それを調べればすぐにわかるからです。

2. 英文法基礎講座の狙い
英文法基礎講座の狙いは、英文法のいろいろなルールを、事細かに教えることではまったくありません。
そんなことをしても意味がありません。
「文法特有の考え方」を身につけていない人に、英文法のいろいろなルールを事細かに教えても、使いこなすことはおろか、理解することもできないので、無意味です。
逆に「文法特有の考え方」を身につけている人は、教えてもらわなくても、自分で文法書を調べれば、すぐにわかるので、やはり無意味です。
ですから、英文法基礎講座は英文法のいろいろなルールを網羅的に説明する英文法概説講座ではないのです。

英文法基礎講座の狙いは、ひとえに、文法の全体を貫く「文法特有の考え方」を受講者が身につけることにあります。
「文法特有の考え方」とは、ズバリ言えば「品詞」と「働き」と「活用」の相互関係です。

英文法のルールの中には、この講座で説明されていないものもたくさんあります。
説明されていないルールは、この講座で「文法特有の考え方」すなわち「品詞」と「働き」と「活用」の考え方を身につければ、自分で文法書を見ればすぐにわかります。

3. 後の者が先になり、先の者が後になる
以上のような次第ですから、「取り上げていない文法事項がある」とか「説明の順序が支離滅裂だ」とかいう人は、この講座の趣旨を理解していないのです。
聖書に「後の者が先になり、先の者が後になる」という有名な言葉がありますが、なまじっか少し英語をかじったことがある人の方が、先入観が邪魔して、批判や不満ばかりが先に立ち、本当に大事なこと(=この講座でなければ身につけられないこと)を取り逃がしてしまうのです。
それに対して、何にも英語のことを知らない人は、この講座が敷いたレールに素直に乗って、ただ言われた通りに、前から順番に動画を視聴していきますから、結果的に、本当に大事なことを、それも短時間で手に入れられるのです。

4. 初めから見ていく
時間的に余裕のある人は、ともかく1-Aから順番に視聴していくのがよいです。
週に2日英文法基礎講座を勉強することにして、1回2時間(=4ファイル)視聴するなら、月に16時間ですから、6か月で96時間になります。
このペースを守って勉強を続ければ、半年で英語の本当の基礎を固められます。
ある程度学習が進んだ段階で、回りを見回してみればわかりますが、英文法基礎講座で教えていること(=品詞と働きと活用の考え方=Frame of Referenceの基本)を身につけている人は本当に少ないのです。
 稀と言っても過言ではありません。
そして、英文法基礎講座のような授業を受けない限り、ほとんどの人は一生これ(=品詞と働きと活用の考え方=英語の本当の基本)を知らずに終わるのです(英語を日常的に使う仕事についていてもです)。
半年でこういうレベルに到達できて、一度身につければ、自転車や水泳のように絶対に忘れないのですから、半年は非常に短いと私は思います。

5. 先回りして見ること
見たい動画をつまみ食い的にピックアウトして視聴するのは、本来意図されている学習の仕方ではありません。
しかし、やってみてもよいです。
ただ、そのような視聴をして、理解できなくてもショックを受けてはいけません。
本来は前から順番に見て行って初めてわかるように作られているのですから、先回りして見て、わからないのは当然です。
「この辺ではこんなことを学習するんだ。今はわからないけど、順番に視聴していけば、いずれ、こういうこともはっきりわかるようになるんだな」くらいの受け取り方をしておいて、また前に戻って着実に学習を続けてください。

6. ノートを作る
テキストに出てくる英文だけを抽出してWord文書にしたものが講座に付属しています。
このWord文書を自分で加工して、プリントアウトし、自分なりのノートを作ってください。

動画を視聴するとき、そのノートを開き、そこに動画上のフリップ(黒板の板書に相当します)をメモすると、効果的な学習ができます。

7. 他教材との関係
Frame of Referenceの基本は次の5つで学ぶことができます。

『英語リーディング教本』(研究社)
『英語リーディングの秘密』(研究社)
『英文法基礎講座』
『F.o.R.講座Stage-0』
『F.o.R.講座Stage-1』

この5つのどれか1つを最後まで勉強すればFrame of Referenceの基本を習得できます。
この5つは媒体や解説の仕方、精粗に違いがあるだけで、伝えたいことは同じなのです。
英語基礎講座は分量が多いだけに、説明の詳しさ、例文の数はこの5つの中で断トツです。
ですから、当面は、英文法基礎講座をメインにし、英語リーディング教本をサブテキストにして、わき目もふらずに勉強してください。
そして、英文法基礎講座の学習が終わったら、F.o.R.講座のStage-0ないしstage-1を復習のために視聴し、それと並行してF.o.R.講座のStage-2とstage-3の学習に進んでください。

8. F.o.R.特訓動画について
自転車の乗り方や泳ぎ方のガイドブックをいくら読んで、暗記しても、実際に自転車に乗って、何度も転んだり、プールで泳いで、水を飲んだりしなければ、乗れるように、泳げるようになりません。
それとまったく同じことが頭の中で起こるのです。
英文法基礎講座の各Lessonの中で、特に重要なのがLesson 10, 16, 20「動詞・助動詞の把握(1)(2)(3)」です。
この3つのLessonの動画を繰り返し視聴して、練習してください。
Lesson 10を過ぎて、後半に入ったら、『英語リーディング教本』をサブテキストとして使い始めてください。
そして、リー教の練習用TEXTの英文を1題やるごとにF.o.R.特訓動画を視聴して練習してください。
こういう泥臭い練習を徹底してやらなければ、本当にはものにならないのです。

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